第32回江戸川乱歩賞を受賞された作家「山崎洋子さん」よりシャーロック・ホームズ像を寄贈いただきました。
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第32回江戸川乱歩賞を受賞された作家「山崎洋子さん」よりシャーロック・ホームズ像を寄贈いただきました。
写真は江戸川乱歩賞受賞者に贈られていた『シャーロック・ホームズ像』です。
作家「山崎洋子さん」より英国アンティーク博物館BAM鎌倉へ寄贈いただきました。
こちらは、山崎さんが32回江戸川乱歩賞を受賞された際に贈られた『シャーロック・ホームズ像』です。
パイプをくわえているシャーロック・ホームズ。
重厚なブロンズ製で、細部にまで再現された精度の高いデザインです。
スタンド部分にはシャーロック・ホームズの名前も掘られています。
「シャーロック・ホームズ像」が収められた木箱には、第三十二回江戸川乱歩賞と書かれており、大変味わい深い風合い雰囲気を存分に醸し出しています。
作家「山崎洋子さん」の第32回江戸川乱歩賞受賞作品「花園の迷宮」
1986年9月に発売された山崎洋子さんの「花園の迷宮」。作家デビュー作品でありながらも、応募総数320編から選ばれた第32回江戸川乱歩賞受賞作品。昭和7年、日中戦争前夜の時代の横浜を舞台にしたミステリー作品で1988年には東映配給で映画化もされています。
『江戸川乱歩賞とは』
1954年に作家『江戸川乱歩』(1894年~1965年)の寄付を基金として、日本推理作家協会(旧:日本探偵作家クラブ)により、探偵小説を奨励するために制定された文学賞です。
推理作家の登竜門として知られ、これまで、西村京太郎「天使の傷痕」(1965年第11回)、森村誠一「高層の死角」(1969年第15回)、長坂秀佳「浅草エノケン一座の嵐」(1989年第35回)などの有名作家が受賞し、人気作家を続々と輩出しています。2022年第68回では、荒木あかね「此の世の果ての殺人」が最年少受賞し大きな話題となりました。
『江戸川乱歩』
『江戸川乱歩』(1894年~1965年)は、大正から昭和期にかけて活躍した作家で、主に推理小説を得意としました。「人間椅子」、「芋虫」、「怪人二十面相」などの代表作があり、怪奇・幻想・グロテスクな要素が散りばめられた唯一無二のスタイルは、現在も多くの人々に読み継がれています。第二次世界大戦後は推理小説分野を中心に評論家や研究家、編集者としても活躍しました。
『江戸川乱歩』と『エドガー・アラン・ポー』
『江戸川乱歩』のペンネームは小説家の『エドガー・アラン・ポー』をもじっています。
乱歩は、子供の頃から、日本の探偵小説を読みあさっていましたが、早稲田大学在学中に、『エドガー・アラン・ポー』や『アーサー・コナン・ドイル』の探偵小説に出合い熱中していたと言われています。特に、影響を与えたのは「暗号物」と呼ばれる小説です。『江戸川乱歩』の処女作「二銭銅貨」では『エドガー・アラン・ポー』の代表作である「黄金虫」を彷彿させる「暗号物」になっています。こちらは1923年に雑誌『新青年』に掲載された短編推理小説で、日本初の本格的探偵小説とも言われており、日本人における初期の推理小説として高い評価がされています。その他にも「孤島の鬼」「黄金仮面」「化人幻戯」「ぺてん師と空気男」など、「暗号物」の小説を数多く残しました。
『エドガー・アラン・ポー』
『エドガー・アラン・ポー』(1809年~1849年)は、推理小説のスタイルを確立した作家です。1841年に発表した『モルグ街の殺人事件(The Murders in The Rue Morgue)』が、世界初の推理小説と言われています。SF海洋冒険小説、ゴシック風ホラーなど様々なジャンルで数々の名作を残しました。後に『アーサー・コナン・ドイル』など世界中の偉大な作家に多大なる影響を与えました。
大変貴重な江戸川乱歩賞の「シャーロック・ホームズ像」はBAM鎌倉3階フロアにて展示中です!
江戸川乱歩賞の正賞は第48回(2002年)までは「シャーロック・ホームズ像」が贈られていましたが、第49回(2003年)からは「江戸川乱歩像」に変わります。こちらは、第1回(1954年)から第48回(2002年)までの間にしか作られておらず、江戸川乱歩賞を受賞した作家にのみ贈られた大変貴重な「シャーロック・ホームズ像」になります。ご来館いただきました際は、BAM鎌倉3階フロアにて展示中ですので是非ご覧になってみてくださいね。重厚な佇まいと風合いに圧倒されますよ!
山崎洋子さんには、この場をお借りして心より感謝申し上げます。